Snake Biteに掲載された南悠麻(ユーマ)のインタビュー和訳版
ひと月ほど前に、メインストリームにこだわることなくコアな情報を配信するSnake Biteにインタビュー記事が掲載されたUNITEDジャパンライダーの南悠麻(ユーマ)が、その内容を和訳してくれたので、みなさんにお知らせします。
Snake Biteとは、オールド・ミッド・ニュースクールと長年BMXシーンに関わり、ポートランド唯一のBMXショップであるGoods BMXを経営するShad Johnsonが運営するちょっとコアなBMX情報サイトです。
Shadは、バンクーバーからポートランドへと足を運んでいたユーマを受け入れたローカルライダーのひとりでもあり、現地ではショップも経営する兄貴的存在でもあります。そんな彼がユーマをインタビューした記事はこちら。写真もShad本人がユーマとスポットやアングルなどを相談しながら撮っていったものです。
掲載されたインタビューは全文が英語だったこともあり、その内容に目を通していなかったり内容がよくわからなかった人もいるかもしれません。思いの全てをこのインタビューで伝えることは難しかったかもしれませんが、『彼がなぜバンクーバーへ行ったのか?』『現地でどんな経験をしどんなことを得てきたのか?』など、カナダとアメリカの両国でリアルなローカルシーンに触れてきたからこそ感じた何かを、少しでもみなさんに伝えることができたらうれしいです。
和訳 : Yuma Minami Interview | Snake Bite
ユーマ、きみは結構な頻度でバンクーバーとポートランドを行き来してたね。何を求めてこちらに乗りに来てたの?
僕は、今までに一度もノースアメリカに行ったことがありませんでした。大きくてリアルなBMXシーンがあることは知ってました。ワーキングホリデー制度があり、アメリカも近かったからカナダのバンクーバーを選びました。そして引越した後、仕事をしながらライディングしていました。もっと世界を知りたかったので、英語とBMXの練習を沢山していました。僕は普段からスケートパークで乗っていたけど、ノースアメリカのスケートパークは日本のものよりとても大きく、角度も立ってました。僕がバンクーバーにいる時に、アメリカのポートランドに住んでいる日本人の友達(先輩)のチンピラさんが、ポートランドのBMXシーンを沢山教えてくれました。ポートランドには、かなりカッコいいシーンとスケートパークがあって、大きな衝撃を受けました。バンクーバーと同じ様に!僕はとてもラッキーで、行く前はそういう色んなシーン環境を知らずに行ったし、沢山の友達、沢山の思い出がバンクーバーとポートランドでできました!必ず戻ります!
スピードがあってエアの高い君の乗り方とスタイルが、ノースウェストに合っていたみたいだね。向こうではどんなライダーと乗るのが良かった?お気に入りのスポットは?
友達のコーリー・ウォルシュにはかなり刺激をもらっていたよ!彼はめっちゃ早いし、めっちゃ飛ぶ。僕らはバンクーバーで出会って、コーリーは色んなところへ僕を連れて行ってくれたり、最高の思い出を作ってくれました。お気に入り場所はヘイスティングス・スケートパークとバーンサイド・スケートパーク。二ヶ所とも見た目がヤバくて、あんなのは見たことがなかった。難しいけどとても楽しかった!もう早く戻りたい!ノースウェストは僕にベストな場所です!
日本には大きなフラットランドのシーンがあるよね。フラットランドをしていたことはないの?なにがきっかけでパークで乗りはじめたの?
僕は最初に2003年から2005年にフラットランドをしてました。家の近所にスケートパークがあって、行ったら楽しくてパークライディングがはじまりました
家の近くのスケートパークはどんな感じなの?君の写真でひとつヤバいコンクリートパークを見たことあるけど、日本にはコンクリートパークが沢山あるとは思わないんだけど?
近所のローカルパークはコンクリートで、2011年に出来ました。最近は多く作られてきているだけど、だいたいはお金を払わなくてはいけないし遠いとこもある。安全を考慮してか小さかったりするけど、とても良いパークも沢山あります!
えーと、東京に帰ってからのプランは?ずっとそっちにいるのか、それとももっと旅をしたい?
東京に帰ってきて、仕事をしてお金を貯めて、またノースウェストに戻ります。きっとまたバンクーバーに住むと思う。それまでは日本のヤバイ所に乗りに行きたいとおもっている。目標は、日本とアメリカを行き来して、みんなに日本の良い所を伝えていきたいです!あとは向こうの友だちと日本のトリップもしたい。
ノースウェストで君が乗ったスポットのトップ5は?
ヘイスティングス、ボンサー、バーンサイド、ウェストリン、タイガード
トップ5ライダーは?
Mike Aitken, Joe Rich, Justin Inman, Corey Walsh, Andy Merrall
乗っていないときは何をしてるの?
友達とビール飲んだり、音楽やBMXのビデオを観てる。ポートランドにいる時はヘビメタのライブショーにハマってた!
イイねぇ! 君がこっちへ戻ってくるのが待ち遠しいよ!ありがとうと伝えたいひとはいるかい?
みんなにありがとうと伝えたい!バンクーバーの友達、Atlantis BMXのクルー、 3rideのクルー、ポートランドの友達、Goods BMXのクルー、みんなで僕に最高の時間を作ってくれた!それとBrian Huntにありがとうと伝えたい。 彼は、僕が1人でオースティンに行って一緒に乗りに行った時に、あごを怪我してしまって、全てケアしてくれた。みんな、本当にありがとう!
Photos: Shad Johnson / Snake Bite
ユーマは、昨年の7月に単身でカナダのバンクーバーへと渡り、今年の10月に帰国。バンクーバーのローカルBMXシーンに親しみ、その足跡のひとつとして現地のフィルマーの協力によって帰国の1ヶ月前に下の映像を公開したのでした。
渡った先のバンクーバーやカナダ国内の素晴らしさは、滞在中のユーマからたびたび発信されてきたのInstagramなどの写真や映像から目にし感じていた人がたくさんいたことでしょう。そして、時折現れていたアメリカ西海岸のワシントンやポートランドでのできごともBMX大国を肌で感じるユーマの生活を感じさせるものでした。
中でもポートランドでのできごとは、訪れる頻度からして彼のお気に入りの街であったことは言うまでもないでしょう。本人が気に入るのみならず、ローカルライダーとの親交を深め、そのシーンの一人としても数えられるに至っていたことを筆者(※由谷)が9月にポートランドに滞在した2日間でも大いに感じることができたのです。
BMXやスケートボードを愛するものならば耳にしたことのある人も多いと思われる『バーンサイド・スケートパーク』。特にコンクリートスケートパーク愛好家から聖地のひとつとして数えられることの多い場であり、ローカルによるDIYコンクリートパークの雄としても数えられるこのパークにおいて、ローカルBMXライダーのみならずスケーターからも親しまれる存在になっていたことは驚きでした。パークに到着しても現場にいる多くはスケーター。彼らと自然に挨拶や会話を交わす姿は、なんともたくましく思えたのです。
かつてバーンサイドについて耳にしたのは、『ローカールのスケーターはBMXライダーを嫌う』や『スケーターの少ない午前中に乗れるだけ』。ローカルによるDIYからスタートしてこのパークも昨年には晴れてパブリックの場となったとはいえ、原則としてスケートボードの使用に限られているのは変わっていないものの、幸いにも、BMXライドは午前中に済ませるという暗黙のローカルルールが息づいているそうです。
BMXライディングに関わらず、国外へ赴き異文化の中で得られる様々なこと経験することは、見聞を広め、人を成長させる手段のひとつだと思います。当然、国内の生活で得ることも可能です。しかし、憧れをもち、遠く離れた日本からではその表面のほんの一部しか感じることができない国外のシーンに身を置く経験は、言語や文化の違いもあり、更に成長を促進させる経験になるでしょう。