ブレーキありライダーにおススメ!! 調子が良いケーブルに交換 by 由谷 友孝 (YOSSY)
1月末にECLATのブリッジケーブルを取付けた際、アウターケーブルの数カ所が割れていたり破けている箇所があり、ホントは交換したかったのだ。
2月になり、交換するならと期待していたTREEのSB POWER CABLEが入荷してきたので、ようやく交換に至った。
このケーブルの肝はこの太鼓。通常のインナーケーブルはブレーキレバーに設けられたくぼみにフィットする形状の太鼓が一体になっているが、このケーブルはそれよりも小さな球状の太鼓が一体になってる。その球状の太鼓へ金色のパーツを被せブレーキレバーに装着する仕組みだ。
なぜ、そのような周りくどい事をしているのか?
インナーケーブルがねじれようとしても球状の太鼓が金色の太鼓の中で回転するので、インナーケーブルがねじれにくくなるからだろう。
前回のようにチドリへインナーケーブルを取付ける際、チドリが水平になるよう固定したいのだが、仕上がりを見てみると水平ではなくねじれてしまうことがある。そのため、これまでは気を使いながら作業を行ってきた。
しかし、このインナーケーブルを使えば例え垂直や裏返しにチドリとインナーケーブルを固定したとしても、チドリの向きを変え水平にすることができる。その際、ブレーキレバーに収まっている球状の太鼓がねじれる方向へ回転し、インナーケーブルがねじれっぱなしになってしまうことを避けてくれるわけだ。
ジャイロ(ローター)を使っていたり使ったことのあるライダーであれば気がついているかもしれないが、この球状の太鼓はローターケーブルの太鼓と同じ大きさである。好みの長さや取り回しなどのカスタム時にも、このケーブルは重宝するのではないだろうか?
メーカーによっては通常の太鼓とこの球状の太鼓がインナーケーブルの両端に設けられ、用途によって選択できるものもあるので、すでに実行しているライダーもいるのだろう。
さて、余談はさておき取り付け作業を進めてみる。
自分がブレーキのケーブルを取付ける際、まずアウターケーブルの長さを決める。
ハンドルバーが一回転してもアウターケーブルへの負担が少ない長さを考えカットする。
アウターもインナーも、ケーブルをカットする際はケーブルカッターを使用する。
歯がケーブルに回りこむように成形されているので、周囲から歯が食い込みケーブルがつぶれにくいのだ。そのためケーブルがほつれにくく、とても扱いやすい。
しかし、このケーブルカッターを使用してもケーブルが少しつぶれてしまう。
自分は、カッターの歯がない箇所で挟み形を整えたり内側のホースも先の尖った道具で整えている。
これらの処置に加えて、下の写真のようにアウターケーブルの金属部が露出していたらカットして整えている。そこにかぶせるキャップに負担をかけない心がけといったところ。
少し神経質すぎるかもしれないが、このような処置の後にカット面を軽くヤスリがけして滑らかにしておくこともある。
ひと通りの処置を終えたらアウターケーブルにサラサラなオイルを塗布。塗りすぎてしまうと、時間の経過とともにホコリやインナーケーブル表面のコーティングのカスなどを拾い、ケーブルがスムーズに動かなくなってしまい逆効果になりかねないので注意する。
むしろ、コーティングされたインナーケーブルにはオイルなどの油脂類は不要かもしれない。しかし、カサカサとした感触よりもスルスルとした感触の方が好みなので、自分はオイルを使用している。
最後に、チドリへ固定したインナーケーブルを適度な箇所でカットし、キャップを被せてカシメる。
TREEのケーブルには同封されているタグにテープ止めされているので、作業前や作業中に捨ててしまわないように注意。
キャップを付けていないと、ケーブルがほつれて見映えが悪くなったりチドリとの固定が不安定になりかねない他、ほつれた一本一本がとても細いので指に刺してしまったりと危険なのだ。
こうしてTREEのケーブルを取付けレバーの引きを確認すると普段通りの自分好みなタッチに仕上がり、とっても満足。
ブレーキタッチが悪いと気分が乗らず、ライディングが楽しめない。そんなことは望んでいないので、普段から気を使っていきたいところである。
ケーブルについて、もうひとつ気を使っていることがある。
それがコレだ。
ブレーキレバーから伸びるケーブルを、ベルクロテープもしくはタイラップなどで軽く固定するのだ。きっちりと固定するのではなく、レバーの出口から直線上にケーブルが向くようなイメージで軽くだ。
これによってキャップとの接点でアウターケーブルが折れたり割れてしまうことを防ぎ、スムーズな動作を長く維持することができる。
この箇所でアウターケーブルが折れてしまっている人は、次回の交換時に試してみてください。全然違いますよ。